言葉だけ美しくて実行の伴わないのは、色あって香りない花のようなものである。

法句経―

 

「口にきれいごとを並べる人は、人間の根本である思いやりの心が薄くなりがちである」。中国の「論語」では、「巧言令色は仁が少ない」という言葉で言い表されています。

 

どんなに素晴らしい事を言ったとしても、それを実行しない人は信頼されなくなるものです。またきれいごとというのは、状況によっては嘘になる事もあります。

仏教には、もっとも基本的な守るべき5つの戒があります。その戒とは、

①不殺生戒(生き物の命を奪わない)

②不偸盗戒律(盗みをしない)

③不邪淫戒(性行為に溺れない)

④不妄語戒(嘘をつかない)

⑤不飲酒戒(酒を飲まない)

となります。

嘘をつくという事は、この5つのうち、4番目の戒に触れる事になります。

 

当人や相手に明らかに不利益になる場合、それを避ける為に「嘘も方便」という事であえて嘘をつく事が許される場合もあると思います。しかし言葉というのは、気をつけて発しないと、信頼を失ってしまうものです。

言葉というのは、1度口から出してしまえば飲み込む事は出来ないので、しっかり考えて発する事が大事ですね。

きれいごとを言うだけで、実行が伴わず、また嘘をつく人は道端で美しく咲く花に見とれて、いい香りがするだろうと近づいてみても、なんの香りもしない花のようなものです。

 

きれいごとを言ったり、嘘をついたりして1度信頼を失ってしまえば、その信頼を取り戻すのは容易ではありません。

当たり前の事ですが、毎日の生活や仕事の中で、その場逃れのきれいごとや、嘘をつかない事、そして人と話す時は相手の方がどういう立場や思いでいるのか、みきわめ思いやりをもって言葉を発する事が、日々を平穏無事に過ごす事につながるのだと思います。