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秋のお彼岸

第七派のコロナ感染拡大も収束する気配が見受けられませんが、どうぞ皆様に於かれましては、改めて感染予防の為に、基本的な行動をお願い申し上げます。

さて、間もなく秋のお彼岸がやってまいります。お彼岸は一年に春と秋二回あります。春分の日と秋分の日それぞれ前後三日間、あわせて一週間がお彼岸という行事になります。
当山では9月21日の午前11時より、「秋のお彼岸特別供養会」を厳修する予定です。当日はお塔婆を立てて、ご先祖様・水子様をはじめ御霊の御供養をします。皆様のご参詣をお待ちしております。

お彼岸の中日には太陽が真東から真西に沈みます。太陽の沈む方向に極楽浄土があるということから、日本ではこの日に「浄土を想い、亡き方を偲ぶ日」になったともいわれております。
お彼岸は、日本独特の仏教行事になります。印度から伝わった仏教と日本の祖先崇拝が融合したもので、平安時代から始まったともいわれ、江戸時代には広く一般庶民に広まりました。

「彼岸(ひがん)」という言葉は、元々古代インドの言葉(サンスクリット語)で「パーラミータ(悟りの彼岸に到達する)」を指し、これを音写したのが、波羅密多(はらみた)です。
彼岸に到る、すなわち「悟りの世界~仏の世界に到る」ということになります。 その手立て・道程を教えているのが、波羅密多(はらみた)です。その代表的なものが、六波羅蜜(ろくはらみつ)になります。

○布施(物でも心でも施したい)
○持戒(心を戒め、決まりを守りたい)
○忍辱(耐えしのびたい)
○精進(何事にも全身全霊を傾けたい)
○禅定(心静かに物事を深くみつめたい、素直な謙虚な気持ちになる)
○智慧(こころの眼を開きたい 物事の捉え方考え方を変える)
六波羅蜜の中で、最初にある「布施」。一般的にイメージされる事は、お寺の宗教儀礼に対して金品を納める「お布施」ではないでしょうか。布施の「布」は分け隔てなく、あまねく、「施」は文字通りほどこすという意味です。仏教で大切な修行の一つが布施で、「施しは無上の善根なり」とも言われます。受ける人の心も清く、布施の内容も清らかであることが大切であると説かれています。

また「布施」という文字は、元々仏教の僧侶は、僧衣として、人が捨てるような「ぼろ布」を拾い集めて洗い、土に埋め色を染めて縫い合せ、「衣・袈裟」を作った事に由来します。
袈裟の事を、糞掃衣(ふんぞうえ)とよぶこともあります。これは、この布を着る事によって執着を離れるという教えです。

無財の七施
仏教の教典に「雑宝蔵経(ぞうほうぞうきょう)」という経典があります。その中には、「無財の七施(むざいのしちせ)」という教えがあります。施しとは、お金や物に限らず、今まさに必要とする人に心から捧げることです。

眼施(げんせ)
眼施とは、優しい目で相手を見つめることをいいます。優しい目で見ることで、相手は見守られているという安心感を得る事ができます。「目は口よりもものを言う」、「目は心の鏡」という言葉があるように、相手の目を見ると思いはだいたいわかります。

思いやる心で見つめると、自然にやさしい眼差しとなり、目を通して相手に心が伝わって、相手も自分の気持ちを理解して、お互いが打ち解けることができるのではないでしょうか。

和顔施(わがんせ)
和顔施とは、微笑み・笑顔の事を示します。眼施と同様に、顔はその人の気持ちを表します。素敵な微笑み・和やかな笑顔を見ると、幸せな気持ちになります。純粋無垢な笑顔に接する時、人は生きがいさえ感じる事ができます。何より笑顔は、周囲に伝わっていきます。暮らしの中で、いつもなごやかで穏やかな笑顔を絶やさぬよう心がけたいです。

言辞施(ごんじせ)
言辞施とは、優しい言葉をかけることをいいます。言葉は人間関係を円滑にする、大事なコミュニケーションの手段です。私たちは言葉一つで相手を喜ばせたり、逆に悲しませたりする事ができます。
「おはようございます」「こんにちは」という日常の中での挨拶や、「ありがとう」や「おつかれさま」や「お世話になります」など、当たり前の挨拶を心から伝えることが大切です。優しい言葉は、どんなに相手を喜ばせるか、救いになるか計りしれないのではないでしょうか。

身施(しんせ)
身施とは自分の身で奉仕することです。例えば重い荷物を持ってあげる事や、困っている人を助ける事、お年寄りや体の不自由な方をお手伝いするというような、身体でできる奉仕・施しです。
よいことを思いついたら、実行し、自ら進んで人のために尽くすことで、自分の心も高められていることに、気付きます。

心施(しんせ)
心施というのは、一言であらわすと、「思いやり」を持つことをいいます。相手の立場に立って考える言葉を掛ける事や、家族のように相手を想い、心を寄り添うことです。

「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」という言葉があります。心掛けから変えるのか、なかなか変わらない心を変える為に、行動・習慣から変えていくかは、人それぞれです。
心の状態・ありようで物事の見方が変わってしまうように、心はとても繊細なので、言葉遣いや態度に映し出されます。
慈悲の心や思いやりの心が、自然とやさしい顔や和やかな眼差しにも表れてきます。

この他に、床座施(しょうざせ・・・相手に座る場所、ときには寝泊まりする場所をも提供し安らぎを与えること。)・房舎施(ぼうしゃせ・・・食事と雨露をしのぐ場所を提供する)があります。
「無財の七施」と、仏教の言葉で言われると難しく聴こえてしまいます。しかし、無財の七施の意味を解いてみると、とても簡単な、けれども大切な事を伝えています。

人のため誰かのため、心配りや思いやりを持ち、自分の身体でできることを行わせてもらうことです。またよく省みると、日常生活の中で、周りの方から自分がしていただいている事でもあります。
人のために行った些細な言動が、人の幸せに繋がり、幸せな人間関係が形成されていき、結果自分自身も幸せな人生が歩めるのではないでしょうか。

秋のお彼岸を迎えるこの時期。どうぞ、生活の中で「無財の七施」を心掛けてみて下さい。

合掌

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