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11月は、「霜月」ともいいますように朝夕が冷え冷えとしてきます。寒暖の差が進むに連れ、山の紅葉も色鮮やかとなり、私達に自然の美しい営みを見せてくれます。

さて今年も残り2カ月となりました。皆様におかれましては、今年の年頭に様々な「願い」をたてられた方もおられるでしょう。私達を取り巻く環境・状況をみると、厳しい事が多くあります。ですがこのような時だからこそ、今一度原点に立ち戻り、省みる事はできないでしょうか。

兎角「仏教は難しい」「生きている私達には無縁のもの」「葬式の時だけでいい」「厳しい修行や荒行をしないといけない」など謂われる事があります。
ですが、仏教の原点・教えを端的にあらわした言葉があります。

「七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)」

七仏通戒偈とは、法句経という経典の中に説かれる有名な言葉です。
七仏とは、仏教で釈尊以前に存在したとされる6人の仏と、釈尊を含む7人の仏様(過去七仏)をいい、その仏達が共通して説かれた教えを一つにまとめたとされます。以下の偈文です。

諸悪莫作(しょあくまくさ) ― もろもろの悪を作すこと莫(な)かれ
衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)― もろもろの善を行い
自浄其意(じじょうごい)  ― 自ら其の意(こころ)を浄くす。
是諸仏教(ぜしょぶっきょう)― 是がもろもろの仏の教えなり
皆さんご存知の一休禅師が、この偈文の「諸悪莫作 衆善奉行」を大書された掛軸をご覧になった方もおられるでしょう。

「諸悪莫作 衆善奉行」「悪い事をせず、良い事を行う」この言葉には唐代中期の詩人白居易(白楽天)と道林禅師の逸話があります。
白居易が道林禅師に問います。
「如何なるかこれ仏法の大意(仏教の神髄とはなんですか)」
道林禅師は答えます。
「諸悪莫作、衆善奉行(悪いことはするな、善いことをせよ」
すると白居易が
「そんなことは三歳の子供でも知っています」というと、
禅師は
「三歳の子供でも言えるが、八十歳の老人でも実行するのは難しい」と応じたといわれます。

分かっていることと、実際に行うこととは別です。それが簡単で当たり前であればあるほど、人はおろそかにしてしまいます。
身近な事で例えます。「人の悪口を言ってはいけません」という小さい時に道徳で習うような事。でもいざ自身がそのような状況になってしまうと、相手の悪口にはじまり、嫌悪感、やがて恨みつらみになり、ついには取り返しのつかない事を犯してしまう事もあります。

「悪いことをせず、善いことをせよ。」あまりにも当たり前すぎですが、この当たり前すぎるほど当たり前のことを、私達は見失ってしまう事が多々あります。
「心(こころ)コロコロ」ともいいますが、人の心というのは、その時の状況・環境により、または体調等によっても「コロコロ」と動きます。
しかしその生活の中で、常に心がけ、常に行い続けるが、「自浄其意 ― 自ら其の意(こころ)を浄くす。」ではないでしょうか。

仏教(諸悪莫作、衆善奉行)は日常の中にあります。
しかし仏教は、実際に行われなければ、仏教が仏教にならないのではないでしょうか。
日々、少しずつ少しずつでも良い方向へと進んでいけたらと思います。

合掌

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